As You Like It !

All the world's a stage, and all the men and women merely players. 独断と偏見に満ちたエンターテイメント作品紹介です。めざせエンタメの伝道師!

宙組「神々の土地」予習 ロマノフたちのいろいろ

2017年は、1917年のロシア革命から100年。宝塚宙組「神々の土地」の予習も兼ねて、ロマノフ王朝の歴史と関連作品をまとめてみました。(独学なので、違っていたら優しく教えてください ^^;)ロマノフ王朝の悲劇的な最後は涙無くしては語れません・・・

 

ロマノフ王朝とは、17世紀のミハイル・ロマノフから1917年の革命まで続いたロシアの王朝。1721年、ピョートル1世を初代皇帝としてロシア帝国成立。エルミタージュ宮殿(現在は美術館)を作ったエカテリーナ2世が有名です。

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最後の皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后の間には子どもが5人。皇女オリガ、タチアナ、マリア、アナスタシア、そして皇太子アレクセイ。美しすぎる姉弟!!

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(↑Wikipediaより)

アレクサンドラ皇后は、アレクセイの血友病の治療(祈祷)を “怪僧”ラスプーチンに頼ります。1916年12月30日、ラスプーチンはドミトリー大公、ユスポフ大公らに暗殺されます(「神々の土地」はこのあたりの話)。

1917年二月革命十月革命が起こり、皇位は廃止されロシア帝国は滅亡、指導者レーニンのもと、ソビエト社会主義共和国連邦が成立。ニコライ2世一家は1918年7月17日未明、エカテリンブルクのイパチェフ館で銃殺されてしまいます。

 

第四皇女アナスタシアは生きているのでは?という説があり、「私がアナスタシアだ」と主張した人が大勢いたという話は有名ですが・・・

 

以下、関連作品の紹介です。詳しくは述べませんが、気になるものがあればぜひ見てみてください。

 

オルフェウスの窓 池田理代子

池田理代子先生といえば、フランス革命を描いた「ベルサイユのばら」ですが、ロシア革命も描いています。ドイツの音楽学校の話からロシア革命へ。ベルばら以上に劇的です。宝塚で舞台化もされていますが、この大長編の舞台化は無謀なのでは(観たことないけれど)^^;

私はこの作品でロシア革命を知りました。戦う民衆の側から見ているこの作品から入ったので、革命は正義、ロマノフ王朝は倒されるべくして倒れた、と思っていたのですが、いろいろ調べてみると史実はまぁ衝撃的でした・・・レーニン、皇帝一家全員銃殺はあんまりだ・・・

 

アナスタシア

20世紀フォックスのミュージカルアニメ映画(注:ディズニーではない)。革命から10年後の話。実際は、アナスタシアは革命時15歳ですが、この作品ではまだ子ども。年齢が史実と違うのはご愛嬌。ラスプーチンも完全にバケモノ笑

“Journey to the Past”, “Once Upon A December” は名曲。荒廃した宮殿で踊るシーンが秀逸です。最近ブロードウェイで舞台も始まりました。

追想」という1956年の映画をもとにしています。こちらも観てみたい。

 

名探偵コナン 世紀末の魔術師

話はさておき、「インペリアル・イースター・エッグ」というものについてはこれでよくわかります。マリア皇后、アレクサンドラ皇后に皇帝から贈られたファベルジェ親方の芸術品。世界各国に散在していて、ニューヨークのメトロポリタン美術館には3つあります。緻密で感動しました。

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第二皇女タチアナの写真もありました。美しい! f:id:Michon0713:20170519092326j:plain

 

神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜

宙組公演 『神々の土地』『クラシカル ビジュー』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

今年8月18日から、宝塚歌劇団宙組にて上演!我らがまぁさま、朝夏まなとさんの退団公演です。まぁさまが宝塚の舞台の上からいなくなってしまうのは本当に寂しいのですが、上田久美子先生によるロマノフ最後の日々で、私としてはこれ以上のはなむけはないと思っています(> <) とても楽しみです!

 

そのうち公式ページに出ると思いますが、主要人物の人物相関家系図はこんなかんじです。(まぁさまが中心に来るようにしたかったのですが、左に寄ってしまった・・・ご容赦ください!)

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ラスプーチンはかなり主要な役だと思うのですが、誰がやるのか??愛ちゃん?!澄輝さんは当然ロシア貴族ですよね?!

 

私が調べた限りでは、宝塚でロマノフ王朝ロシア革命をテーマにした作品は意外と少なく(フランス革命関連は死ぬほどやっているのに・・・)、前述の「オルフェウスの窓」、あとは「彷徨のレクイエム」、「ロマノフの宝石」くらいでしょうか。「復活」もロシア貴族の話ではあるけど。もっとありましたら教えてください。

 

 

万が一にでもアナスタシアは生き延びていてくれたら、と私も思っていたのですが、近年のDNA鑑定の結果、やはり一家全員あの夜に亡くなっているようです。科学で長年の謎が解けた。。。

フランス革命も、エリザベートハンガリー独立運動云々も、「革命」という響きはかっこいいけれど、ヨーロッパやロシアの歴史を知ると、大量の血が流されていることに衝撃を受けます。

 

極寒のロシア、悲しくも美しいロマノフ家に心惹かれるのは、私だけではないはず。概要だけ書きましたが、調べるほどにはまります。彼らが暮らしたサンクトペテルブルクにはぜひともいつか行きたいです。

LA LA LAND

一足お先に "LA LA LAND" を観てきました。今年度アカデミー賞14部門ノミネート作品。日本では2/24公開。
 
ジャズピアニストのセバスチャンと、ハリウッド女優の卵ミアの恋と夢のお話です。
West Side Story を彷彿とさせるような” と聞いていたので、もっとバリバリのミュージカル作品かなと思っていたけれど、そうでもなかった。くどくなくてよかった。
現代的であり、かつレトロでもある。曲も素敵だし、映像も綺麗だし、お話が予想より深い。監督が32歳というのに驚きました。
 
とても巷の評価が高いですが、私が思うに、いきものがかりの歌が皆に響く名曲なのと同じような意味で、これは名作なのかなと思います。
 
以下、本編の内容に触れます。
 
 
すーっとハイウェイでのフラッシュモブ ”Another Day of Sun” が始まる。素晴らしいOverture。そして何事もなかったように本編が始まっていく。
 
ポスターの二人でタップを踏むシーン、おぉこういうシーンなのかと意表を突かれた。普通だったらここで二人が結ばれると思うのですが・・・
 
プラネタリウムのシーンのグリフィス天文台は、私も行ったことがありますがとても素敵なところです。夜景が本当に綺麗です。(でも観光地なので混んでいますが。今はこの映画のおかげでもっと盛況でしょうね。)
 
渋滞しているハイウェイを降りて、横道へ逸れる。とても象徴的な場面。
”あり得たかもしれない、あの時選ばなかった別の未来” これは誰しもに響くはず。これはずるい!!!!
 
過去のミュージカル作品へのオマージュがちりばめられています。探してみてください。
顛末が”シェルブールの雨傘” みたいだと思った以外、私はほとんどわかりませんでしたが。まだまだ修行が足りない笑
答え合わせはこちら!

www.radiotimes.com

Les Miserables レ・ミゼラブル

今年はレミゼ日本公演30周年!!おめでとうございます!!
 
これぞ本物のミュージカル!!大好きです!!
観ながら心の中で一緒に歌ってしまうミュージカル好きさんは、きっと私だけではないはず。
みんな次々に死んでいくのに、後味は不思議なまでに爽やかです。心が洗われます。 ”神の御心”というものに触れることができます。
 
冒頭「1815年 ツーロン」ずんちゃっちゃちゃー♪ から、もう(T T)
仮釈放後のバルジャンがあてもなく歩くシーン(回転盆の使い方が巧い)、”独白”からの「生まれ変わるぞ!」、大きなバリケード、アンジョルラスの逆さ吊り、そしてもちろん下水道・・・旧演出バージョンの方が思い出深いし好きではあるけれど、旧・新ともに舞台ならではの演出が素晴らしい。
 
それから、全てが歌。これはミュージカルの中でも珍しいこと。
(以前映画を観た人が「ずっと歌ってたー(で引いた)」って話しているのを小耳に挟みました。まぁ映画だしね・・・そもそも”ミュージカルを受け付けない人”がいるのも承知しているし・・・でもお前ら本物観たら泣くぞ!)
 
初めて見たのは高校生の時でエポニーヌと同世代でした。”On My Own”は理解できても、"夢やぶれて”の意味はよくわかりませんでした。でもファンテーヌ世代になり、夢やぶれた経験をし、今やあの曲を涙なしでは聴けません。(スーザン・ボイルの持ちネタなどではないのよ!)
劇場では何回観たかな。ロンドンでも観ました。舞台を観た以上にサントラで聴いたり、ロンドン25周年コンサートの映像を観たりしているので、もっと観ている気になっているし。
思えば山本耕史さんとの出会いもこれだった!(この1年後に"新選組!"でファンになりました笑 もっと真剣にマリウスを見ておけばよかった!) 
 
漫画もありますね。http://amzn.asia/1NXi9x7
試し読みしたら冒頭からつらかった・・・パンを盗むくだり、昨今ではネタみたいになっているけどこれは悲しい・・・
 
映画をご覧になった皆様、舞台はもっともっとすごいので、ぜひ一度は舞台を観てみてほしいです!!
そして日々何かと闘っている皆様、闘い続ける勇気と明日への希望をこの作品から受け取ってほしい!!
 
最後に、このフラッシュモブ大好き。もし私がこの場に遭遇していたら、確実に列に入ってる笑

Fantastic Beasts and Where to Find Them ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

観る前からこれは絶対はまるなと思ってたけど、案の定はまった!!

(以下少しネタバレあります。)


ニュートかわいいよ!コミュ障っぽいところが非常にツボだった。エディは瞬きまでコントロールできるのか?!
自室で薬草絞ってるところ、いかにも研究者で楽しそうで本当に素敵だった!
例の求愛のダンスもドキドキした!笑
1897生まれ、1926年の出来事の設定なので29歳ですか。しかも英国紳士。すばらしい!笑
 
1920年代のNYって一番素敵。ジャズ、アール・デコ、潜り酒場!"華麗なるギャツビー"などもこの頃。
衣装もおしゃれ!ニュートの青いコート超素敵!クイニーもかわいい!
 
魔法動物はニフラー超かわいいし、手から出てくる鳥が便利でいいなぁ・・・
魔法も瞬間移動とか高度すぎる。
ホグワーツを退学になってもなんで杖使えるの?というのは後々わかるらしい。
ニュートが魔法動物のせいでホグワーツを退学になったときに、味方してくれたのがダンブルドア先生らしい。
 
例のあの人(ヴォルデモートではない)は出るって知っていたので探した。笑い方でわかった!
新聞のシーンは、イェーツ監督の好きなやつ。ハリポタ不死鳥の騎士団にも出てくる。
 
本は装丁と挿絵がすごく綺麗!余白が多くてわりと読みやすかったです。

Fantastic Beasts and Where to Find Them: The Original Screenplay

Fantastic Beasts and Where to Find Them: The Original Screenplay


オタクで人間嫌いな人がこの世でやっていくには、何かを極めないとだめだなと思った。私には何ができるだろう・・・
 
エディ・レッドメインは癖のある役が本当に上手い。
"博士と彼女のセオリー The Theory of Everything"も涙無くしては観られません。ぜひどうぞ!
"レミゼ"は周りがすごいのであまり目立たないけど、ちょっと弱そうなマリウスがいいかんじ(私の認識ではマリウス=ちょっとヘタレ)。歌ってます。
 
次回作以降も楽しみです!しかし5作も引っ張れるのか?!

百日紅 Miss Hokusai

 思いがけずアメリカで観たかった作品に出会う。

こんなJapanese anime movie 私以外誰が見るんやと思ったら、ちゃんと他に数組入ってた。(日本ではたいしてヒットしなかったと思うのですが、アメリカでは好評らしいです。アカデミー賞狙ってるらしいです)

 
江戸の話なのに吹き替えで英語で話してたらなんだかな・・・と思ったけどちゃんと日本語英語字幕だった。ナイス。杏ちゃんのツンデレ男前ヒロイン。他の声優陣もすごくはまってる!
 
数年前の北斎展でお栄さん(応為)の絵も見て、娘も絵師だったのかと驚いた。
ちなみに北斎展で知ったこととしてもう1つ。浮世絵は版画。絵師は図のデザインをするのであって、それを彫ったり印刷したりする人は別にいる。なので、絵師は筆で絵を描いて版元に持っていく。分業体制。だからすごい浮世絵というのは、彫師も刷師もすごいということ!
 
四季 人情 歌舞伎の世界
この頃の江戸は良かった!!この頃の江戸に生まれたかった!!
 
江戸と林檎さんの主題歌で、一時ここは日本かと思った。
いいもの観ました!!
 

From the mixed-up files of Mrs. Basil E. Frankweiler クローディアの秘密

直訳の「フランクウィーラー夫人のごちゃごちゃのファイルより」だとよくわからないので、邦題はナイスだと思います。

日本でも「メトロポリタン美術館に家出する話」として有名な児童文学作品です。(あの「メトロポリタンミュージアム」の歌にもこの作品のモチーフが出てくる!)

英語原著で読んでみました。小学生向けなのでそこまで難しくなかった。

クローディアとジェイミー姉弟による謎解き小説。

まず1ページ目の手紙が何を言っているのか最初はわからない。この書き手の女性はだれ?

ご安心を。読み進めているうちにだんだんわかってきます。

 

コネチカットのGreenwichに住むクローディアは弟のジェイミーを誘って家出をします。

家出先はメトロポリタン美術館。警備員もうまくかわし、1週間をそこで過ごします。

その間に、ミケランジェロの作品とされるが本当のところは謎の天使の像を見ます。

像に魅せられたクローディアと(それに付き合わされた)ジェイミーは独自に調査を開始します。

果たしてこの像はミケランジェロの作品なのか?!

 

先日ニューヨークに行って、この本に出てくるグランドセントラル駅もメトロポリタン美術館(MET)にも行きました。二人はあの場所を歩いたのかなとニューヨーク旅行を思い返しながら読みました。(グランドセントラル駅からMETって、大人の足でもかなり遠いと思うけど笑)

METにはクローディアが眠ったマリーアントワネットのベッドらしきものがあったり、二人同様、私も地下のカフェテリアでランチしたり。

天使の像はなかった・・・よね?(MET広すぎてわからない・・・)

 

それに、うちにもうるさい弟がいたので、子どものころのことを思い出しました。

まぁ余計なことをしやがる、たまに役に立つ相棒!

 

なかなか考えさせられるセリフも多く・・・
たとえば、家出して数日経って、
"ホームシックにならないなんて、私は家族に対する愛情が足りてないのじゃないかしら"
“ホームシックにならないのは、自分が確立しているからだよ"
と二人が話す場面だったり。
 
"秘密"の上部をなぞって知った気になるだけでなく、 "take it inside you"(経験を自分のものにしなさい、ということ?)だったり。

 

そして最後のオチも、heart warming!

 

2002年に追記されたあとがきもまた素敵。9.11の前後でいろいろなものが変わってしまっても、New Yorkはいつでも変わらず皆を迎えてくれる。

 

二人の大冒険!!子どもの行動力と知恵と自我をなめたらいけない!

CHICAGO Broadway

ミュージカルの聖地ブロードウェイに行ってきました!!
ミュージカルファンとして、ここに来られただけで感動です!!
ロンドンのウエストエンドも素敵ですが、もっと賑やか!!
 
たくさん観たかったけれど、1回分しか時間がなく
アメリカらしい作品がいいなと思って厳選したのは「CHICAGO」
「RENT」も「Hairspray」もやってなかった・・・
生Matthew Morrison(Gleeのシュー先生)も観たかったのに、「Finding Neverland』の主演は他の人に変わっていた・・・
ブロードウェイとはいえ案外観たいものがいつでも観られるわけではないのですね
レミゼ」ですらもうすぐ一旦終了するようですから、新陳代謝が速い・・・

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Ambassador Theaterは古くて割と小さな劇場
1階10列目 ステージが近い!!
 
映画でしか観たことがなかったのですが
 1曲目の "All That Jazz” から圧倒されました
ヴェルマ、 柚希礼音さんみたいでした(いつかちえさんのヴェルマ観たいな!)
おなじみの名曲が次々にたたみかける!
ダンスかっこいい!ロキシーかわいい!
 
何より、宝塚OGこれやったの?!という衝撃
ダンスと歌とお芝居はそれなりに真似できると思うけれど
衣装がセクシーすぎる!!大丈夫?!笑
 
正義や真実がどうであれ、とにかくドラマチックでおもしろいものが好き!それでいてすぐ飽きる!というアメリカらしいスタンス(トランプ氏ブームもこういう思考が元にあるからなのだと思います どう考えてもヒラリー女史の方が人としてまともなのに・・・)
 
転んでもただでは起きない女の強かさが最高です!!

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