As You Like It !

All the world's a stage, and all the men and women merely players. 独断と偏見に満ちたエンターテイメント作品紹介です。めざせエンタメの伝道師!

百日紅 Miss Hokusai

 思いがけずアメリカで観たかった作品に出会う。

こんなJapanese anime movie 私以外誰が見るんやと思ったら、ちゃんと他に数組入ってた。(日本ではたいしてヒットしなかったと思うのですが、アメリカでは好評らしいです。アカデミー賞狙ってるらしいです)

 
江戸の話なのに吹き替えで英語で話してたらなんだかな・・・と思ったけどちゃんと日本語英語字幕だった。ナイス。杏ちゃんのツンデレ男前ヒロイン。他の声優陣もすごくはまってる!
 
数年前の北斎展でお栄さん(応為)の絵も見て、娘も絵師だったのかと驚いた。
ちなみに北斎展で知ったこととしてもう1つ。浮世絵は版画。絵師は図のデザインをするのであって、それを彫ったり印刷したりする人は別にいる。なので、絵師は筆で絵を描いて版元に持っていく。分業体制。だからすごい浮世絵というのは、彫師も刷師もすごいということ!
 
四季 人情 歌舞伎の世界
この頃の江戸は良かった!!この頃の江戸に生まれたかった!!
 
江戸と林檎さんの主題歌で、一時ここは日本かと思った。
いいもの観ました!!
 

From the mixed-up files of Mrs. Basil E. Frankweiler クローディアの秘密

直訳の「フランクウィーラー夫人のごちゃごちゃのファイルより」だとよくわからないので、邦題はナイスだと思います。

日本でも「メトロポリタン美術館に家出する話」として有名な児童文学作品です。(あの「メトロポリタンミュージアム」の歌にもこの作品のモチーフが出てくる!)

英語原著で読んでみました。小学生向けなのでそこまで難しくなかった。

クローディアとジェイミー姉弟による謎解き小説。

まず1ページ目の手紙が何を言っているのか最初はわからない。この書き手の女性はだれ?

ご安心を。読み進めているうちにだんだんわかってきます。

 

コネチカットのGreenwichに住むクローディアは弟のジェイミーを誘って家出をします。

家出先はメトロポリタン美術館。警備員もうまくかわし、1週間をそこで過ごします。

その間に、ミケランジェロの作品とされるが本当のところは謎の天使の像を見ます。

像に魅せられたクローディアと(それに付き合わされた)ジェイミーは独自に調査を開始します。

果たしてこの像はミケランジェロの作品なのか?!

 

先日ニューヨークに行って、この本に出てくるグランドセントラル駅もメトロポリタン美術館(MET)にも行きました。二人はあの場所を歩いたのかなとニューヨーク旅行を思い返しながら読みました。(グランドセントラル駅からMETって、大人の足でもかなり遠いと思うけど笑)

METにはクローディアが眠ったマリーアントワネットのベッドらしきものがあったり、二人同様、私も地下のカフェテリアでランチしたり。

天使の像はなかった・・・よね?(MET広すぎてわからない・・・)

 

それに、うちにもうるさい弟がいたので、子どものころのことを思い出しました。

まぁ余計なことをしやがる、たまに役に立つ相棒!

 

なかなか考えさせられるセリフも多く・・・
たとえば、家出して数日経って、
"ホームシックにならないなんて、私は家族に対する愛情が足りてないのじゃないかしら"
“ホームシックにならないのは、自分が確立しているからだよ"
と二人が話す場面だったり。
 
"秘密"の上部をなぞって知った気になるだけでなく、 "take it inside you"(経験を自分のものにしなさい、ということ?)だったり。

 

そして最後のオチも、heart warming!

 

2002年に追記されたあとがきもまた素敵。9.11の前後でいろいろなものが変わってしまっても、New Yorkはいつでも変わらず皆を迎えてくれる。

 

二人の大冒険!!子どもの行動力と知恵と自我をなめたらいけない!

CHICAGO Broadway

ミュージカルの聖地ブロードウェイに行ってきました!!
ミュージカルファンとして、ここに来られただけで感動です!!
ロンドンのウエストエンドも素敵ですが、もっと賑やか!!
 
たくさん観たかったけれど、1回分しか時間がなく
アメリカらしい作品がいいなと思って厳選したのは「CHICAGO」
「RENT」も「Hairspray」もやってなかった・・・
生Matthew Morrison(Gleeのシュー先生)も観たかったのに、「Finding Neverland』の主演は他の人に変わっていた・・・
ブロードウェイとはいえ案外観たいものがいつでも観られるわけではないのですね
レミゼ」ですらもうすぐ一旦終了するようですから、新陳代謝が速い・・・

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Ambassador Theaterは古くて割と小さな劇場
1階10列目 ステージが近い!!
 
映画でしか観たことがなかったのですが
 1曲目の "All That Jazz” から圧倒されました
ヴェルマ、 柚希礼音さんみたいでした(いつかちえさんのヴェルマ観たいな!)
おなじみの名曲が次々にたたみかける!
ダンスかっこいい!ロキシーかわいい!
 
何より、宝塚OGこれやったの?!という衝撃
ダンスと歌とお芝居はそれなりに真似できると思うけれど
衣装がセクシーすぎる!!大丈夫?!笑
 
正義や真実がどうであれ、とにかくドラマチックでおもしろいものが好き!それでいてすぐ飽きる!というアメリカらしいスタンス(トランプ氏ブームもこういう思考が元にあるからなのだと思います どう考えてもヒラリー女史の方が人としてまともなのに・・・)
 
転んでもただでは起きない女の強かさが最高です!!

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Gone With The Wind 風と共に去りぬ

最初にアラバマに来たとき
本当にあの映画のように土が赤くて驚いた
 
1996年夏季オリンピックと、宝塚でもおなじみ「風と共に去りぬ」の街
 
風と共に去りぬミュージアムと
作者マーガレット・ミッチェルの家にいってきました!
 
スカーレットの故郷タラは
ジョーンズボロという所をモデルにした、架空の地だとか
ジョーンズボロにももう一つミュージアムがありますが、そこはまた次回!
 
*映画について
1939年公開なのにフルカラー
CGも使わずによく撮ったなというシーンの連続
4時間もの長い映画で、かなり見応えがある
 
太平洋戦争中に、こっそりこれを観た日本の知識人たちは
「こんなにすごい映画を作れる国に勝てるわけがない!」と言った
という逸話もあるようです・・・ほんときっとそう思ったことでしょう・・・
 
南北戦争でのアトランタ陥落後、燃える街を逃げていくシーンはかなり壮絶
白人の経営する大農場(プランテーション)で黒人が奴隷として働くという、それまでの南部の暮らしが、南北戦争という”風"と共に去った
建物も人も物もお金も失い、それまでの暮らしが全部なくなっても、土地だけはそこにある
「最後に信じられるのは土地だけだ」というのがこの映画の主軸となるテーマ
(ワガママ女とニヒルなおっさんの恋物語だけではないんですよ!)
 
風と共に去りぬミュージアム
アトランタ郊外のマリエッタという町にある小さなミュージアム
映画の衣装、ポスターやパンフレット、ワールドプレミアの写真などが展示されています
 
私が一番欲しかったおみやげはレプリカ衣装だった・・・さすがに買わなかったけど笑

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アトランタの街中にあります
もとはアパートで、ミッチェル夫妻はこの1室に住んでいました
ベッドルームとキッチンとリビングしかない(各部屋もすごく小さい)、アメリカではものすごく小さな家
2回火事になって、3回目の再建だそうです
 
マーガレットは26歳のとき、交通事故で足を怪我して家にいるしかなかった
時間があったので、
リビングルームの角に小さな椅子と机を置いて、小さなタイプライターでこの本を書き始めた
生涯この一冊しか書かなかったけれど、この一冊が今日でも世界中で読まれる不朽の名作となった
・・・すごい話だ
 
私も一冊こんな本を書けたら、もう人生それでいいな !
書く勇気をもらいました

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あの風共の舞台に行けて、ヅカファン冥利につきました!
原作を英語で読んでみたいけれど、長い。。。

Oliver! オリバー!

19世紀(?)の英国のお話
孤児のオリバーが図らずも大都会ロンドンに来て大騒ぎ!
 
オリバーの友達のドジャーが生意気でかわいい!
レミゼのガブローシュみたい!
 
そして突然のフラッシュモブ "Consider Yourself”
規模がすごい!笑
 
ナンシーが実はお母さんだったりしないのかな
と思ったけどさすがにそうではなかった
あの男はひどい!!
 
“ウンパッパ" はこの作品の歌だったんですね!
 
オリバー役のマーク・レスターはこの後
"小さな恋のメロディ"で主演を務めます
有名だけど観たことはないので これも観てみたい
 
ロンドンの下町の情緒と 歌が素敵な映画でした!
古いし長いけど 一度は観ていただきたい!

若き数学者のアメリカ 藤原正彦

大変面白かった!
インテリあるある 自意識過剰 超わかる笑

すごい優秀なはずなのに、結構バカなこともしていて笑った。

具合悪いと「私もう祖国の地を踏めずに死ぬんじゃないか」と思う あるある笑

 

藤原正彦氏を"右"だと批判する人がいるけど(実際ちょっとそうかもなとは思うけど)
日本の外に出た人は皆多かれ少なかれこうした国粋主義的なことを考えるのではないだろうか。
民族、宗教、人種・・・日本にいたらあまり考えないものが当たり前に外国にはある。
"Alien"と呼ばれて初めて気づくことがある。

戦後何十年も経って生まれた私にはまったく関係ないのに、"太平洋戦争"というものが思い起こされる。

負けてたまるかと対抗心を勝手に燃やし、でもちょっと冷静になって周りを見てみれば誰も私を敵だなんて思ってない。

彼らはきっと、日本人のことを、我々が思っているほど好きでも嫌いでもない。

国際社会でプレゼンスを発揮する、などどがんばってみても、超大国アメリカでは日本は取るに足らない極東の小国にすぎない。

 

日本人がアメリカ人と同じ英語を話そうとしなくていいし、

同じ振る舞いをしようとしなくていい、というのに勇気付けられた。

 

40年前の当時と研究者の状況が変わっていなくてびっくりした。

アメリカが当時そうだった状況に、日本が追いついたようだ。

Game of Thrones ゲームオブスローンズ

Season6 終わってしまった・・・
アメリカに来てからのこの3ヶ月で1話から見切った・・・
 
大人のための長編ファンタジー
半端なく人が死ぬところは欧米的だけれど
世界をまるごとひとつ作ったのがすごい
 
Aさんが・・・しているころ、
Bさんは別の場所で・・・をし、
一方Cさんは・・・をしている
という群像劇
 
暑い砂漠の町 雪の降る辺境の地 王宮 森の中
世界のいくつもの場所でいくつもの出来事が同時進行
世界とはまさにそういうものだなぁと思う
 
人物相関と国の位置と力関係などまるで世界史のよう
(覚えるのが大変 常にこの人どこの誰だったっけ?と思う)
 
味方が敵となり 敵が味方となる
嘘も方便 腕力がなければ口八丁で生き延びろ
 
そして女性たちが強い強い!
最初は何もできないデナーリスやサンサがだんだん強くなっていく過程もしっかり描かれている
 
S6最終話はうまいことまとめてきたな ほぼ全員登場
サーセイの復讐は倍返しすぎたw
対立構造もだいたい収束して見やすくなってきた
ここから デナーリス vs サーセイ 北部連合 vs White walker の大バトルか
ティリオンがデナーリスに傅くシーンは感動した
アリアは立派な暗殺者になり
ブランは過去の語り部としての役割を手に入れた
 
次まであと1年くらい待つのかな 待てない!!
今なら誰がどこのだれかわかるし、また1話から見直すか笑