As You Like It !

All the world's a stage, and all the men and women merely players. 独断と偏見に満ちたエンターテイメント作品紹介です。めざせエンタメの伝道師!

わたしを離さないで カズオ・イシグロ

舞台の感想ばかり書いているので、久しぶりに本の話を。

梅雨が明けまして、夏の青空が広がっておりますが、

この本のイメージはイングランドの曇り空。
寂寥感とデッドエンド感。
 
このニュースはご存知でしょうか?
「ブタ体内でヒトのiPS臓器作成」
iPS細胞を使って、ブタの体内でヒトの臓器を作り、
その臓器をヒトに移植して、ヒトの病気を治すわけです。
(こういう科学ネタとか引っ張ると本業っぽくていやだな、、、)
 
先日、小さな子に「この豚は死んじゃうの?」と聞かれました。
たぶん、死んじゃうんだろうね・・・
 
そして、ブタとヒトを同一視するわけではないけれど、この本を思い出しました。
 
ヘールシャムは実際にあるわけではないよね?フィクションだよね?
本当だったら辛すぎるじゃないか。
でも技術的には、きっと近い将来可能になる。
「クローン人間を、臓器提供の使い捨ての道具として利用すること」が。
 
科学において「できること」と「やっていいこと」は同じではない。
科学は「たのしい、おもしろい、すばらしい」だけでは絶対にない。
科学は人を殺せる。ロケットは戦争兵器として発展した。化学を応用すれば毒ガスを作ることができる。
そして、科学の実験はショーや見世物ではない。
 
Lost Corner、カセットテープ、Never let me go.
「提供者」「介護人」「保護官」
抑制された冷静な一人称の語り。
この先のことは書いていないけれど、キャシーも死んでいくということは容易に想像できる。
現実にこんな悲しい存在が生まれませんように。
 
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

 

エリザベート

大好きな作品です。音楽がかっこいい。
東宝のは初めてでしたが、私の魂もエリザベートとともにトート閣下につれていかれてしまったようで、心はまだ黄泉の国にあります笑 余韻がすごい!!
 
 
【第一幕】
・セットが傾いている・・・ハプスグルク帝国が傾いているからか・・・始まる前から不穏な空気・・・
・狂気のルキーニさん 25歳なのか もっとおっさんかと思ってた
・「ハプスブルクの黄昏にエリザベートと一緒に生きた連中が」歌い出す 鳥肌!!
トート閣下登場していきなり踊ってる笑 よっしー歌い方変わった
トートダンサーズ ダンスのクオリティ高い笑
・自由に生きたい パパみたいになりたい
・「番狂わせが面白い」
・二人ならば嵐も怖くはない
・「すべての不幸をここに始めよう」「ハプスブルクの栄光の終焉」
・《最後のダンス》サビのところはいつものよっしーだ
・《私だけに》歌い終わって踵を返して強く歩いていくシシィ 宝塚はなんで倒れるのかな歌いきって疲れたのかなってかんじだったのでこっちのほうがいい
・エーヤンエリザベート!!三色旗のドレス素敵!!
・《ミルク》合唱好き いっくんルキーニの歌ちょっとバンドの歌手みたいだけどこういうのはさすがにうまい
・「お前に命許したために 生きる意味を見つけてしまった」ここの3重奏最高!!
 
【第二幕】
・「キッチュっ」じゃない 「キーーーーッチュ」だよいっくん!!笑 「鳩が出ますよ」はないのね
・「災いの種はお前自らがまいた もうだれも歯車を止められやしないさ」「束の間の女王 今だけだ!」ここかっこいい
・「あなたの方が自由」
・「死ねばいい!!」もないのね笑
・子ルドルフちゃんがすごく上手だった!!
・迫り来るナチスの影
・《闇が広がる》これ昔よっしーがルドルフやってたのかと思うとすごく感慨深い!!
・棺から出てくるトート 怖いから!笑
・パパみたいになれなかった(T T)
・《夜のボート》が悲しい すれ違い夫婦 フランツの愛は報われない(> <)
・「ルキーニ早く取りに来い!!」ナイフを渡すところかっこいい 後ろからだとキャッチ難しそう
・家族の悲劇列挙と最後のルキーニ死ぬ演出はいらない・・・トラウマになりそう・・・
 
 
よっしー新境地。低音も出るんですね。
でも、宝塚から入ると、なんだか生々しくていやだ!!笑
男性がやるトート閣下・・・うーむ みりおさんの方が良い・・・
マダムヴォルフのコレクションもまぁそういうことなんですけど・・・宝塚版ではなんでマデレーネが人魚のバレリーナなのかわかった・・・生々しいからぼかしたんだ・・・
壁ドンとか机ドンとかやめてほしい笑
 
これはこれでいいと思うので
比べるのは違うのかもしれないけれど
やはり望海さんのルキーニは血が通っていたなと思う。
ルキーニは「狂気の人」というだけではないのだから。
 
そして主役らんちゃん お歌ちょっとはらはら・・・
伝説のシシィ花總さんとWキャストで、相手がよっしーなんて、
絶対食われるから誰もやりたくないだろうし、「こないだやりました」のらんちゃんしかできないと思うけど・・・
ただ、退団後元気でいてくれてよかったです。
 
出てくる人たち、揃いも揃って皆孤独なのだ。
シシィ、フランツ、ゾフィー、ルドルフ、トート、ルキーニ・・・
「この世で休めない」
ぎゅーっと苦しくなるようでした。
美しかったけど怖かった。。。闇が広がった。。。

阿弖流為

「歌舞伎で新感線の作品をやったらこうなりました」ではなく

「いのうえ歌舞伎を突き詰めたらこうなりました」というかんじ
(「アオドクロ」でも染さんは歌舞伎混ぜてるけど、それをもっと突き詰めたかんじ)
「歌舞伎をみる」という気持ちで行ったら裏切られました
これは”新感線”だ笑
 
「いのうえ歌舞伎」とはよく言ったもので
歌舞伎が江戸のエンタテイメントの最前線だったのと同じで
新感線は現代日本のエンタテイメントの最前線だから
一緒にやってもまったく違和感ないのもうなずける
 
民族対立、国家統一、支配と被支配、「義と大義」
「なんであんたは蝦夷なんだ」「だったらなんでお前は大和だ」
「鬼ではない ただの人です」
きな臭い世界に一石を投じる作品
 
それから、私のふるさと東北の事を考えた
勇敢な蝦夷の血は私にも少し流れているだろうか
 
【メモ】
・しょっぱなから七之助くんの殺陣 おぉ珍しい!美しい!かっこいい!七くんよかったね!!
・歌舞伎なのにタイトル表示出しちゃう 音楽と照明が新感線(たくさんライトついてるなと思ったらやはりいつもの笑)
勘九郎さんは本当にこういうアニメな役が上手い!身体能力が高い!二と三の線の切り替えが上手い!
染五郎さん 蛮族の長というより貴公子 ノリのところはもはやラップ
・花道二本で台詞の掛け合い 一階席うらやましい
・くまこかわいい
・新悟くんが何気に上手くて見てしまう
・「蛮甲です」髪ww
・おもしろいんだけどちょっと長いかな。。。ここからあと1時間あるの?!
・六法 だんまり 見栄
・最後ねぶた!!
 
まだちょっと台詞が宙に浮いているようなところもあったけど、慣れたらもっとよくなるでしょう
後半にもう一度観たい
 
観客はいつも歌舞伎を見ているような方も多く、
お隣もお上品な年配のご婦人だったので、
大丈夫かな、、、うるさいし現代的だし殺陣ばっかりだけど、、、
とちょっと心配したけれど、
ちゃんと楽しんでいらっしゃった!よかった!
蛮甲とくまこがお気に召したようでした笑

月組 1789

月組初心者ですが、この作品で惚れた!!
 
群集劇最高!!合唱の迫力がすごくいい。よくぞこんな難しい曲を。
次々にたたみかけられて、全てが見せ場みたい。
ものすごく現代的な作品でしたが、このフランス革命はまさに革命的!!
 
まさちゃぴ→農民とマリーアントワネット
え??と最初思いましたが
さすがに農民と王妃の恋物語ではなかった笑
 
龍さんのセリフの言い方には独特のクセがありますが、
今回の作品には合ってた!!
龍さんはロックシンガーだったのか!!
ロナン、農民のくせにかっこいいんですよ!!
ふとした仕草とか、後手を振って走り去っていくところとか
・・・あ、龍さんがかっこいいからか!!
 
ちゃぴちゃん歌上手!!
王妃の威厳があって驚いた。いつもと別人のよう。
 
みやさんが怪しくて素敵でした!!
媚薬やばい!!笑
 
カチャさんは役としてはちょっと目立たないけれど見事な美声。
この作品の第一声、最初のセリフからしびれました(> <)
「足りないのは武器と弾薬だ」でグラフの対談(みやとだいもん)思い出した笑
 
そして暁千星さん、若いのに本当恐ろしいな・・・
 
とにかく、群衆の迫力、名もなき民のエネルギーというのがすごく伝わってきた。
作品自体も素晴らしいし、月組全員の頑張りを讃えたい!!
 
 
この日は宝塚初めての友人と観劇。
あえて事前に何も言わずに観てもらいました。
「・・・超かっこいい」
いただきましたー!!沼へようこそー!!笑

東京タラレバ娘

東村先生すごい!!リアルすぎて怖い!!

海月姫」も私オタクなのでめっちゃあるあるだったし・・・

 

東京オリンピックを一人で観たくない

人の悪口言って自分が勝ってる気になる

お呼びでない

本当そうだなー。。。グサグサささった。。。

 

タラとレバーwww

続きが気になるけど怖すぎて1巻でストップ・・・

 

「30代は自分で立ち上がれ!」に、はっとした。(一応まだ20代だけど)

「たら」「れば」思うこともたくさんあるけど、今をがんばらないとなー。 

花組 カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲

 
風斗さんと蘭ちゃんと一花さんのいない花組

最初、プログラムを見て

え 2番手キキちゃんの3番手れいちゃん??
若すぎない??
あきらさんは?ちなつさんは?Pちゃんは?
かのちゃんで行けるの??みりおさん大丈夫??とか
いろいろどうなるやらと正直心配でしたが・・・
 
・カリスタ
大石静さんの脚本がいまいち好きではないのであまり期待してなかったのですが
うん まぁまぁだった!!笑
 
「人生は諦めること」「私はまだ諦めたくない」
のアニータとアリシアのシーン泣けた
最後ロベルトがなんでそうしたのかがよくわからなかったけど
悲恋かと思いきやハッピーエンドなのはよかった
 
ナポレオン出番少ないのにすごい存在感 まさかのお笑い要員!!
れいちゃんよかったよ!!
カリスタという島はなくて、コルシカ島のことらしい。
それはナポレオンの出身地 ん??ややこしい??
 
 
・ファンタジア
台湾公演あるとはいえ、和太鼓かー!!
羽のところも綺麗だし、
黒燕尾で花組ポーズ挟んできた!!
 
気づけばれいちゃんばかり追っていた!!
彼女はほっといてもトップになるだろうから、
あきらさんまいてぃーはじめ他の方を応援しようと思うのに!!
これがスター これが恋ー♫ 
美しいは正義!!柚香光は綺羅星!!
 
ついこの間まで新人公演にでていたキキちゃんが
羽を背負って降りてきたのにはとても感動しました
がんばれー!!
 
私は花組オーシャンズ11から入ったので、
あの時のメンバーはだいぶいなくなってしまったのがとても寂しいけれど
花組には頑張ってほしい!!花組新時代に期待!!
 
 
それぞれの組にそれぞれのカラー
作品にもよるし 決して飽きない宝塚!!
1789、王家も取れて、今年ついに大劇場公演全制覇しそう・・・

こころ 夏目漱石

人と話すことを仕事にしていますが、

私は人が苦手です。人が怖いです。
わりと人間不信です。
一度そう思うと、フィードバックループでどんどん苦手になります。
「私は淋しい人間です。」
そんなお話といえば、有名すぎるほど有名なこれでしょう。
 
何年ぶりかで、何回めかの「こころ」
初めて読んだのは中学か高校か。
 
今の時点で気付いたこと、思ったことを。
 
・「大学から坂を下って小石川の谷へ出て」のような記述には、はいはいあそこね、とすんなり道が思い浮かんでにんまり。
この10年ですっかりお馴染みになりました。
上野公園から茗荷谷って結構遠いぞ 健脚!笑
・先生40歳くらいらしい。若いな。表紙の絵もおじいさんに見えるので60歳くらいかと思ってた。当時の寿命を考えると精神年齢はそのくらいかもしれないが。
・「先生と遺書」の章が圧倒的に有名なので、「私」いらなくない?と思っていたけど、語る相手として、伏線として、必要だったのか。
・田舎の家族や家の居心地の悪さ、田舎あるあるすぎる。昔も今も同じ。
・恋は罪悪。
・どうしてこのタイミングで死ぬ?明治の精神に殉死?
「私」はお父さん死にそうでめちゃくちゃ忙しいんですけど。。。
 「あなたにはわからないかもしれない」と言っているが、「永遠の0」で宮部が死ぬ理由と同じように、その時代を生きた人でなければわからないことなのか。
高等遊民になりたーい!!!!
 
頭が良すぎると考えすぎてしまってつらい。
いっそもっと阿呆ならよかったのに。何も考えずに生きていけるのに。
「兎角に人の世は住みにくい。」
と、これは「草枕」ですが、漱石自身もきっと頭が良すぎて、いつもつらくて淋しかったんじゃないか。
いつの世も、賢い人ほど生きづらい。なんという矛盾。
 
こんなに頑張って勉強して、東大まで出たんだから、人生双六もう上がらせてほしいけれど、そうもいかない。