As You Like It !

All the world's a stage, and all the men and women merely players. 独断と偏見に満ちたエンターテイメント作品紹介です。めざせエンタメの伝道師!

こころ 夏目漱石

人と話すことを仕事にしていますが、

私は人が苦手です。人が怖いです。
わりと人間不信です。
一度そう思うと、フィードバックループでどんどん苦手になります。
「私は淋しい人間です。」
そんなお話といえば、有名すぎるほど有名なこれでしょう。
 
何年ぶりかで、何回めかの「こころ」
初めて読んだのは中学か高校か。
 
今の時点で気付いたこと、思ったことを。
 
・「大学から坂を下って小石川の谷へ出て」のような記述には、はいはいあそこね、とすんなり道が思い浮かんでにんまり。
この10年ですっかりお馴染みになりました。
上野公園から茗荷谷って結構遠いぞ 健脚!笑
・先生40歳くらいらしい。若いな。表紙の絵もおじいさんに見えるので60歳くらいかと思ってた。当時の寿命を考えると精神年齢はそのくらいかもしれないが。
・「先生と遺書」の章が圧倒的に有名なので、「私」いらなくない?と思っていたけど、語る相手として、伏線として、必要だったのか。
・田舎の家族や家の居心地の悪さ、田舎あるあるすぎる。昔も今も同じ。
・恋は罪悪。
・どうしてこのタイミングで死ぬ?明治の精神に殉死?
「私」はお父さん死にそうでめちゃくちゃ忙しいんですけど。。。
 「あなたにはわからないかもしれない」と言っているが、「永遠の0」で宮部が死ぬ理由と同じように、その時代を生きた人でなければわからないことなのか。
高等遊民になりたーい!!!!
 
頭が良すぎると考えすぎてしまってつらい。
いっそもっと阿呆ならよかったのに。何も考えずに生きていけるのに。
「兎角に人の世は住みにくい。」
と、これは「草枕」ですが、漱石自身もきっと頭が良すぎて、いつもつらくて淋しかったんじゃないか。
いつの世も、賢い人ほど生きづらい。なんという矛盾。
 
こんなに頑張って勉強して、東大まで出たんだから、人生双六もう上がらせてほしいけれど、そうもいかない。