As You Like It !

All the world's a stage, and all the men and women merely players. 独断と偏見に満ちたエンターテイメント作品紹介です。めざせエンタメの伝道師!

Birdman バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

(映画はあまり詳しくないので、素人の個人的な意見です。ネタバレあります。)
 
機内で観ました。
先日のアカデミー賞授賞式はとても楽しく拝見したわけですが、まず、これに作品賞あげちゃうんだという驚き。作品賞は「英国王のスピーチ」「アーティスト」等、”綺麗な作品”が受賞するのかなというイメージだったので。
これは、その部類ではない。
 
単に「過去の栄光に生きる統合失調症の男の話」と言ってしまえなくもないのに、そうでないのなら、すごい。
最初のシーンからして、おっさん浮いてるし意味不明(笑)
超能力も飛行もバードマンとの会話も、すべてはおっさんの妄想と取れなくもないが、最後のシーンでは飛んでるところを娘も目撃してる(?)から違うのかな。。。
 
バックステージものって良い。舞台俳優が、直前まで私語をしながら、舞台に上がった途端に切り替わるのが面白い。
 
シーンが飛んでるのに、そのまま繋げていたり、舞台裏からそのまま舞台に上がって、芝居を始めたりするので、時々混乱する。不思議な感覚を味わえます。
 
娘の危うさが愛おしい。
「Truth or dare?」
 
「自分は誰かに待たれていてほしいんだ(必要とされたい)」というのが、戯曲 「ゴドーは待たれながら」にありましたが、
みんな、自分は特別だと思っている。思いたい。
 
ジョージ・クルーニーと同じ飛行機に乗っている時に、今飛行機墜落したらニュースになるのはクルーニーだけだ。自分は同じ俳優なのに、死んでも取り立ててももらえないだろう」
世界の大半は、クルーニーでない、「誰でもない人」「ここにいない人」だ。
もちろん私も。
自分が「誰でもない人」だと思うなら、観たらいいと思う。