As You Like It !

All the world's a stage, and all the men and women merely players. 独断と偏見に満ちたエンターテイメント作品紹介です。めざせエンタメの伝道師!

花組 For the people

4月からアメリカのアラバマ州に行きます。これから行く国に対する理解を深めるために観てきました。
"Government of the people, by the people, for the people." この有名すぎる言葉が歌になるとは・・・
 
南北戦争のことなんて、ちゃんと知らなかった。どんな背景で、どんな人たちが関わり、どんな終結の仕方をしたのか。
 
政治の話で、戦場のシーン以外派手なところはないはずなのに、第一場の奴隷の苦しみを表すシーンで観客を引き込み、娘役の華やかな踊りが花を添え、一気にリンカーンの半生を駆け抜けた!法律や政治闘争についても説明台詞感を感じさせなかった。ちょっと宝塚らしからぬ社会派で骨太のいい作品でした!
 
そういえば、共和党ってリンカーンが作ったんですね。
「いつか黒人の大統領が生まれる」オバマ からの トランプ 大丈夫か・・・
19世紀からの黒い歴史が脈々と続いている。 私はこういう国に行くのだなと思った。
アラバマ、思いっきり南軍だ・・・
 
私は「祖国」という言葉とマイティーの頑張っている姿に弱いみたい!!
最初ただの敵役だと思ったスティーブン・ダグラス、 「奴隷制度廃止には反対だが、祖国を分かつには値しない」という言葉に涙し、マイティーの渾身の死に様に涙しました。
 
今の宝塚ではきっとこの役は轟さんにしかできないし、難しい作品に果敢に挑んだ花組生たちに感動した。
ゆきちゃんはとても落ち着いていたし、あきらさんが引っ張り、べーちゃんも黒塗りで力強い声で歌い、まいれいもすっかり上級生。
この3年間の変遷を観てきたので感慨深い。これぞ「花男」「花娘」! (今は宙と雪だけど 花から入ったので非常に思い入れがある)
 
観劇前に氷川丸を見学して、この船で海を渡った先人たちに思いを馳せ、この作品で歴史を知った。United States に理解を深めた1日になった。作品としても素晴らしかったし、これから行く国のことがわかってよかった。
 
 
ところで氷川丸も素敵でした!小学生の頃に一度行ったけど、こんなだったかな?タイタニックのような豪華客船!
小柴昌俊先生、一等で渡米ってどういうこと?! 一等の切符は当時の家の半値だそうなので(往復したら家が一軒建つのか?!)、昔の研究者は恵まれていたんだなと思いました笑 今とは大違いで羨ましい!
私もエコノミークラスの飛行機より、揺れても遅くてもいいから13日かけて素敵な客船で船旅がしたい!

NODA・MAP 逆鱗

私の周りの演劇好きには、野田さんのファンが多い。
私は野田さんの作品が好きか嫌いかと言ったら、好きではない。
野田さんの作品は重い。怖い。
そんなにたくさん観たわけではないけど、
「THE BEE」は恐怖が直接迫ってきたし、
MIWA」は正直なんだかよくわからなかったけど底知れぬ恐ろしさを感じた。
簡単に好きだとは言えない。
 
しかし観たいと思ってしまう。観て後悔したことは一度もない。
 
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戦争がらみで「魚」だったら これの話だって気づくべきだった
一番いやなところ来たな
 
NINGYO EAT A GEKIRIN
NINGEN GYORAI KAITEN
人魚 人間魚雷
 
人間魚雷回天は最も非人道的な武器だったという(永遠の0によれば)
 
前半の言葉遊びも もはや笑えなかった
小保方と野々村まで出してバンバン飛ばしてくるのが怖かった
上げるほど後で落ちるのを知っているから
野田さんが、「幻想的な人魚の話」で許してくれる訳がない
 
人魚が語る皆の心の声
そんなことをして何になるのか ただ無駄じゃないのか
上からの指示なんてものは 本当にいつも!!
 
人魚の泣き叫ぶ声は誰かに届くのか
ずっしりずっしり心が重いです
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演劇作品は200以上観ているけれど、
その中で本当に心動かされた作品は1割もない。
その中の一つが「オイル」だった。映像だったのに十分心を動かされた。
当時高校生の私には、蜷川シェイクスピアがすべてだったけれど、こんな演劇もあるのだと衝撃を受けた。
今でも生で観たかったなと思っている。
 
最後のお富士さんの台詞は忘れられない。
 
あれから10年以上経って観る初めての松さんのNODA MAP。
あの頃観られなかった「オイル」を観られたような気がした。
私は「オイル」と「逆鱗」は似ていると感じた。
 
 
アメリカ行くから野田作品もしばらく見納めだ。
特売でもしばらくアジを食べたい気はしない。

明日はどっちだ?!未来を考えるSF作品5冊

(別のところ向けに書いていたのですが、企画がぽしゃったのでこちらに残しておきます。)

 

 昨年10月21日は映画「バックトゥーザフューチャー2」で描かれた30年後の未来の日ということで、私もいちファンとして祝いました。この中で描かれる“The 未来のくらし”にわくわくしましたが、今から30年後の未来は一体どうなっているのやら。世界情勢も大荒れで、不穏な雰囲気。一方で人工知能ブームも起こっていて、2045年には人工知能が人間の知能を越えるとか。

 そんな人工知能が人間に牙を剥くかもしれないし(「2001年宇宙の旅」)、ビッグデータの名目で私たちの行動全てが監視・管理されるようになるかもしれない(「1984年」)。再生医療生命科学の技術の進歩で長生きできるけれど、誰かの犠牲を伴うかもしれない(「わたしを離さないで」)。でも、最先端技術と頭を使って、失ったものを取り戻せるかもしれない(「夏への扉」)。はたまた、火星に行ってみたら火星人と出会うかもしれない?!(「火星年代記」)

・・・まぁ、これらは想像の世界ですが。

未来の世界がどうなっているのかは、その時が来てみないとわかりませんが、ユートピアでもディストピアでもないのだと思います。科学コミュニケーターとして、科学を恐れず過信せず、どんな未来になっても慌てず騒がずにいたいものです。

 

選んだ5冊

・2001年宇宙の旅 アーサー・C・クラーク

・1984年 ジョージ・オーウェル

・わたしを離さないで カズオ・イシグロ

夏への扉 ロバート・A・ハインライン

・火星年代記 レイ・ブラッドベリ

2015 演劇総括

今年は舞台計25本(うち 宝塚8 歌舞伎7 準歌舞伎2)
印象深かったものを抜粋。
 

ハムレット

演劇の力を改めて感じました。
12年間の藤原くんの成長が頼もしかった!!
 
・五右衛門vs轟天
スーパー歌舞伎ワンピース
・アラジン
とにかく楽しかった!!
深く考えさせられる作品もいいけど、私は見終わった後に胸がすっとするような芝居が大好きだ!!
 
・パッション
これはある意味とても印象深かった。。。
面白いかどうかはおいといて、こんなの観たことない。。。
あとからじわじわきました。。。
 
<宝塚編>
Phoenix 宝塚!
凰稀かなめさんの美しさに驚愕!!
席がとても前の方だったというのもあるけれど
こんなに一緒に楽しめたレビューは初めてでした!!
 
<歌舞伎編>
平成中村座 魚屋宗五郎
近年、勘太郎さんがとにかくかっこいい!!
新選組!」の藤堂平助から10年、立役がここまで板についたというのが感慨深い
中村座の「芝居小屋」の雰囲気がとても好きでした。
 
 
来年も観たいものがたくさん!!
今のところ「グランドホテル」が気になる!!

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

昔見た人形劇
覚えているのは
個性的なキャラクターと
歌が時々入ることと
あの主題歌 そのくらい
 
どんな話だったかがまったく思い出せない
でも普通に子ども向けだったような。。。
 
 
 
この舞台は始まりからちょっとよくわからない
各人が自分の話をしている
 
時々噴火が起こって中断される
 
劇中劇だったり
断片的な場面の繋ぎ合わせだったり(この辺は串田さんぽいと思う)
 
最後のエンドレスの繰り返しは
「探し物が見つからなくて途方に暮れても それでも人生は続く」ということだろうか?
 
ダンディーさんもよくわからなかったけど素敵でした笑
握手うらやましい!!
このカオスな芝居の主演というのがすごい笑
白石さんはさすが!山下リオちゃんもかわいかった!
 
子供の頃は気づかなかっただけで
実はこんなカオスな話だったのだろうか・・・

劇団四季 アラジン

数あるディズニー作品の中でも、異国情緒が溢れていて最も好きです!!
音楽がいい!キャラが濃い!
 
ディズニーではアラジンとジャスミンのラブの話でしたが
舞台版は「自由に、自分らしく、立派に生きる」というテーマをプラス。
よっしーのディズニーCDに入っていた”Proud of your boy”がメインナンバーなんですね!
 
アニマルズは人間になっていた。
イアーゴはそのまま手下に、アブーは3人の友人に、ロジャー(ジャスミンのペットのトラ)は3人の女官に。
3人衆がおもしろかった!三銃士みたいだった!
 
・プロローグをしっかりやってくれるので、アラビアンナイトの世界にみんな入り込める。
・「僕を信じろ」そう!この作品にはこの言葉が重要!
・絵に描いたような典型的悪役コンビ笑 悪役笑いがいい!
・"Friend Like Me” 最高! ジーニーあのハイテンションはすごい!再現不可能かと思ったがよくやった!笑
・”A Whole New World” 絨毯が縦横無尽に飛ぶ!想像以上だった。ディズニーでは世界一周(どんだけ速いんだ!)だったけど、今回は宇宙に行ったのかな笑
  
ディズニーのいいシーンをちゃんと活かしていました。
観ていてとても楽しかったです!
また観たいし、これは絶対観るべき!

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パッション

パッション@新国立劇場
 
「ドン引きする人が多いかも・・・」と他の方のレビューにもありましたが、
私も理解不能でした・・・うーむ・・・
 
青年(ジョルジオ)には美しい恋人(クララ)がいるのに
醜いストーカー(フォスカ)の恋が成就する話
 
まず幕開きがいきなりのベッドシーン笑
メロディの音が取れない難しいナンバー よくこんなの歌えるな よっしーたっちん二人ともさすがでした!
クララが光という意味で、フォスカは闇という意味らしい。その通り。
一幕終わりはフォスカの叫び 前衛的すぎるよ!
 
二幕はジョルジオが謎の心変わり
「フォスカに会いたい!」って、一体どこで心動かされた?!
「フォスカのこそ無償の愛、真実の愛」って、いやいやいやいや・・・そんなことないだろ・・・
クララに「離婚はできない」言われてがっかりしちゃったのかな・・・
 
そして鬱エンド・・・
 
これの前にワンピースを観て、この後に劇団四季のアラジンを観たので、
その二つとの落差がすごかった笑
ソンドハイムの曲は素敵だし(素敵で眠くなる)
よっしーはかっこいい けど よっしー出てなかったら観なかったな・・・
日本初演で注目されていただけに、うーむこれがか・・・というかんじでした・・・
いや、すごいはすごいんだけれども!
 
しかもこれトニー賞作品賞ってうそでしょ・・・
アメリカ人には受けるのかしら・・・